システム手帳

一回目の「手帳見せてください」は私の思い出深いシステム手帳の話。

システム手帳のルーツはイギリス。1921年に「6穴バインダー手帳」として軍部御用達として発売されたそうだ。イギリスでのその頃の手帳の話が実に実用的で面白い。道具というものは必要とされる状況の中でこそ、洗練され完成されていくという話。興味のある方はルーツを手繰ってみてほしい。

日本に上陸したのは1984年。バブル景気がスタートして著名人たちがこぞって利用し、あっという間に広がり、社会にでたばかりの私は、仕事が出来る大人の小道具として憧れたのを鮮明に覚えている。

6穴システム手帳

写真は長年私が愛用したバインダー。何処のブランドの物かも今では判らないが、阪急百貨店の文具売り場で革の質感に一目惚れし、大枚はたいて購入し何年間も愛用した逸品、使い込んだ一枚革が良い味を出している。

私の中ではインターネットの普及とともにまったく出番がなくなってしまったものの、思い返せば、このシステム手帳、バインダーの時代は面白かった。2000年を過ぎた頃の話だったと思う。

今愛用しているトラベラーズノートの比ではないカスタマイズの楽しさを思い出す。スケジュールからTODOリスト、取引先の情報から資料、アイデア。あれこれリフィルが充実していた訳でもなかったので、さらに自作しての自己主張。アナログ的情報をシステマチックにタスク化して並べる楽しさがあった。

そして、如何に自分の手帳が効率的、能率的であるかを自慢したものだ。今の時代の私自信の感覚でいうならノートPCやスマホの様な扱いだったのは間違いない。そしてそれはPCやタブレットなどの末端とは違って百人百様の形があった。

WEB屋として効率を重視した今となっては、戻れないし、また、戻る気も更々ないが、楽しかった時代だと記しておきたい。

手帳を再び使用するようになって、埃をかぶっていた私のシステム手帳も再び細々と復活している。方眼のリフィルを購入してきて、枕元に置いて、走り書き用に使ってる。さすがに、またこいつを連れて歩くことはもう無いが、世間ではまだまだ現役で使っている方が沢山居るようで、久しぶりにじっくりと眺めた売り場では当時は思いもつかなかったリフィルを見つけて嬉しくなった。

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