万年筆な方なら、神戸のナガサワ文具センターが作る万年筆用のオリジナルインクのブランド「神戸インク物語」という名前は聞いた事があるんじゃないだろうか。
神戸インク物語の「波止場ブルー」と言う色は、その色もネーミングも私の中では一番のお気に入りの万年筆インクだ。
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ナガサワオリジナルのインクボトル 神戸インク物語
すでに一生かかっても使い切れないほどのインクボトルが並んでいる私のコレクションケース、モンブランからパイロットの色雫、ヴィンテージインク、その他、そして神戸インク物語。
神戸インク物語は2007年の発売以来、どんどん色が増えていき、その色数はいつの間にか業界一番にもなると言われ、お気に入りの色が必ず見つかるとの評判である。
今でこそ、青色インク一つ挙げても、各社がそれぞれ沢山の青を用意しているが、一昔前だと黒と青ぐらいしか無かったわけで、各社がこぞって発売する色彩豊かなインクボトルはまたたく間に人気商品となった。
どれか一つにしなさいと言われれば、言うまでも無く、2007年の発売当初からラインナップとしてその存在感を放つ「波止場ブルー」なのは当然の話だ。
神戸の街の風景を切り取った色
ネーミングの通り、神戸インクが生まれた神戸という街は、大阪生まれの大阪育ちな私にとって、身近にある洒落た街。子供の頃から今に至るまで、気になる女性を誘ったり、ここ一番に出かけるのは必ずこの街だったりするのだ。
記憶というものは色と一緒に残ることが多いのは間違いないと思う。
私は神戸インクの地名を見ると、自分がよく知る神戸の街の色が頭に浮かぶ。神戸インクのそれぞれの色名をみただけで、いろんな思い出がよみがえるのである。
逆にいえば、神戸という街に馴染みが無ければなんの事だか判らないのかもしれないが。
例えば、北野異人館レッドと言えば、異人館のレンガの街並み、六甲グリーンと言われると、足繁く通った六甲山の新緑が目に浮かぶ。生田オレンジには夜のネオンに明るい生田神社の鳥居が目に浮かぶ。
もちろん、見る目が違えば色も違う訳だから、例えば、有馬アンバーとか私にとって有馬はパープルだったり、諏訪山リーフグリーンなどは私にとっては夕陽に染まるオレンジだったりもする訳で、全部が一致するわけじゃない。むしろ一致しない色の方が多いだろう。
それでいい。
思い出は人それぞれ、誰もが同じ街に同じ思いを持っているというのは不自然だろう。
波止場ブルー
とりわけ、私にとってのベスト神戸インク物語は「波止場ブルー」なのはすでに述べた通りである。里山と田んぼに囲まれた新興住宅地で育った私の、海への憧れがそうさせたのか、
「波止場」という言葉は私にとって特別な場所で特別な思いがある。
セーラーのプロフィットのスケルトン軸と波止場ブルーの組み合わせがお気に入り。
目下、波止場ブルーなプロフィットとセットになれるボールペンが無いかと物色中である。