手帳と筆記具の思い出

手帳と万年筆

手帳を語れば、当然筆記具にも話が流れるのは当然の事ではないだろうか。そして、書くことの最高峰の道具と言えば万年筆だと、勝手に思い込んでいる。

とにかく、若い頃は万年筆は憧れの筆記具だった。プロの文筆家は万年筆!そんな風に思ってたかも知れない。モンブランにパーカー、ペリカン、若いころの私の稼ぎでは到底手を出す余裕がなかったのが万年筆だ。

モンブラン マイスターシュテュック146の思い出

バブルな時代が終わりを迎え世の中が暗いニュースばかりだった頃だったと思う。うだつの上がらないその日暮らしの中、やっとの事で、雑誌や新聞の連載仕事を貰い意気揚々と雑文を書いていた頃に、数少ない理解者だった叔父にプレゼントされたのが、万年筆の定番の一つ、モンブランのマイスターシュテュック146。

本当に大事に愛でていたものの、何分出番が無い。

なぜなら、当時の私の「書く」という仕事はフィールドワークを中心に成り立つ分野の執筆で、それはスマートに机に向かって、モンブランの万年筆を原稿用紙の上を走らせるとかいうイメージとは程遠かったのである。

カメラをぶら下げ取材にでかけ、道端で、運転する車の中で、移動中のバスや電車の中で、安宿で、寝袋の中で、とにかく紙と筆記用具があったら何処ででも書くことが出来る、そんなスタイルが自分自身も好きだったし、何よりもそういう書き物にモンブランは似合わなかったのだ。

リーズナブルなプラチナのシャープペン プレスマンとコクヨのレベルブック

少々の雨風はどうってこと無い、コクヨのウォータープルーフのレベルブックにプラチナのプレスマンシャープペンというのが私らの様な雑文書きの定番の道具、そして私も例に漏れずに、このセットの愛用者になったのは当然だった。

現在も変わらない、一本百数十円というお値段は兆魅力的だ。

自宅に帰っての書き物は、原稿用紙からワープロ入稿の時代になり、今ではパソコンデータが当たり前、私は憧れの万年筆の良さを知らずに、そして、語れないまま歳をとり、筆記具を使うと言う作業からは遠ざかってしまったのである。

ボールペンはUni ジェットストリーム

三菱uni ジェットストリーム

どこででも気兼ねなく使えるリーズナブルな筆記具は散々使い倒してきた。

前途のプレスマンは今でも数本は傍らに転がっていて、かれこれ20年を超える付き合いになるが、近年は、三菱uniのジェットストリームのボールペンが取って代わって、手の届くところに幾つも転がっている。

現在の私の愛用の手帳、トラベラーズノートにはジェットストリームプライムが相棒だ。ジェットストリームを愛用していると、出先でも忘れた、紛失したと言っても、安いラインならたいていのコンビニで手に入るのが嬉しい。

これからの私の筆記具

そして今、再び万年筆熱が再燃しているので悔しくてしょうがないのだが、大切なマイスターシュシュテュックを紛失してしまったのである。

何十年も使い続けて来た、と語る事が出来る万年筆になったかもしれなかったのにと、思い出しただけでも本当に悔しい、

これから十年後、万年筆と共に時を積み重ね、とっておきの話が書ける様になったら、またじっくりと語ってみたいと思う。

コメントを残す